米国株が2日連続で大きく反発しました。年初来安値を更新していたS&P500も大分戻して来ています。また、心配されていた米10年債利回りも低下してきました。こちらも一時は4%を超えていました。一部の投資家はFRBの方針転換を期待しているのでしょう。ツイッター上でも久しぶりに楽観ムードが漂っているようです。
しかし、この反発はおそらく持続しないと思います。パウエル米FRB議長は、これまでに何度も「インフレ対策が最優先」と述べています。これは、景気や株価を犠牲にしてでも、インフレ率が目標値まで下がらない限り金融引き締めの手を緩めない、ということのはずです。ということは、利上げもQTも引き続き予定どおりに実施されます。一部投資家の期待は再び裏切られ、市場は再度低迷するものと思います。このパターンは何度も繰り返されて来ました。
そもそも現在の株式市場は捻じれていて、少々おかしなことになっています。通常、株式市場にとって良い材料(ニュース)が発生すれば株価が上がります。ところが今は逆で、悪い材料が出て来た方が上がります。なぜなら悪い材料が出て来れば、金融当局が引き締め政策を転換するかもしれず、それが株式市場にとってプラスになると捉えられるからです。こうした不自然な状態が続く限り、本格的な回復が訪れるとは考えにくいです。今後しばらくは株式市場も債券市場も低迷するものと思います。
昨今は株価の変動が非常に大きく、歴史的な相場になっています。私も含め、直近の先行きが気になるのも無理ありません。しかし長期投資家にとって、日々の株価変動はノイズに過ぎません。本来どうでも良いはずです。短期的な変動に一喜一憂することなく、今後も市場に参加し続けたいと思います。
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