資産が生み出すリターンを「資本所得」と言います。所有している資産が株式であれば、配当金が資本所得となります。資産が債券であればクーポン、不動産であれば家賃がそれぞれ資本所得に相当します。いずれも不労所得です。
昨今何かと話題の「FIRE」は、資本所得だけで生活するライフスタイルを指します。FIREにも色々な種類があり、一部労働が必須のタイプもあるようです。しかし私が当ブログでよく夢見がちに言及するFIREは、完全に労働不要、資本所得だけで生活する、というタイプを想定しています。もちろん働いても良いのですが、それは本人の自由です。重要なのは、労働が「必須ではない」という点です。
働かずに生活すると言えば、何らかの理由で働くことができず、生活保護を受給して生きている人たちもいます。誰にでも、怪我や病気で一時的に働けなくなる可能性はあります。そう考えれば、生活保護制度は社会に不可欠かつ非常に心強いセーフティネットです。私は幸運なことに、現在それなりの資産を持っています。仮に働けなくなっても、生活保護が必要な事態に陥る可能性は今のところ低いと思います。しかし、もし資産がない状態で病気になり働けなくなったら、何らかの形で不労所得が必要になります。臆することなく生活保護を申請するべきでしょう。
この生活保護に関して、ツイッターで少々考えさせられる情報を目にしました。働けないのではなく「働きたくない」から生活保護を受けているという、なかなかの強者(つわもの)の存在です。生活保護の制度上、働けるかどうかは複数ある要件の1つに過ぎず、仮に働ける状態だったとしても現実に受給できるそうです。この方に対しては賛否両論ありました。批判は当然あるでしょう。生活保護費の原資は労働者が働いて納めた税金です。病気等で働けないのであれば仕方ないとしても、単に働きたくないから受給するなんて許せない、ということでしょう。しかし、私は割と共感しました。「私が目指しているFIREとほとんど同じだな」と思ったからです。
これには「ふざけんな、一緒にするんじゃない」という方も居られるでしょう。しかし少なくとも、私とは考え方が似ていると思いました。私がなぜFIREしたいかというと、端的に言って「働きたくない」からです。特に崇高な理念などはなく、上記の方と同じです。
また、一般にFIREを目指す者は、今後働かないで生きていくための手段として、資本所得を生み出す資産を構築していきます。私の場合は「地球PF」という資産です。これらの資本所得は、これまた怒られてしまうかもしれませんが、他の労働者から間接的にピンハネしたお金であると言えます。ピンハネのメカニズムについては、書き出すと非常に長くなってしまうので、ご興味があれば姉妹サイト(お金と労働と地球株)の方を見ていただければと思います。
いずれにしても、資本所得と生活保護費は、元は他人の労働が生み出したお金を「不労所得」として受け取れるもの、という点で共通しています。ここでは善悪、是非、印象等ではなく、あくまで仕組みだけに着目しています。
「働きたくない」という(不純な?)動機があり、そのための手段として「他の労働者に間接的に依存しようとする」点で、上記の方と私はよく似ています。もっとも、私はまだFIREに踏み切れていないですけど。
FIREと生活保護の比較は非常に興味深いテーマなので、もう少しちゃんと考えて、近々また取り上げるかもしれません。
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