衣料品「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリングが賃上げを発表しました。国内従業員の年収を最大で4割引き上げるそうです。報道によると下記のとおり賃金がアップします。
ファーストリテイリングの賃上げ
- 新入社員：25.5万円 → 30万円/月
- 新人店長：29万円 → 39万円/月
- その他：現状より数%～40%アップ
かなり大幅な賃上げだと思います。新入社員で月給30万円、入社1～2年目の新人店長では40万円近くになります。同業他社の社員が「ファーストリテイリングに転職したい」と考えるレベルの賃上げではないでしょうか。私は異業種の大手企業に就職しましたが、初任給は20万円台だったと記憶しています。
ただし、賃上げの恩恵を受けられない従業員も出てくるでしょう。今回の賃金改定では役職や勤務地に応じた手当が廃止され、代わりに「グレード」で報酬が決まるようになるそうです。グレードの詳細はよく分かりませんが、おそらく能力、意欲、そして実績に応じた賃金体系になるのでしょう。従業員間で賃金の差が生じるのは仕方ありません。
賃上げの目的は優秀な人材の獲得です。ファーストリテイリングは積極的に海外展開しています。そして現状、海外従業員の賃金の方が日本人よりも高いそうです。今回の改定で国内外の賃金格差をなくし、より優秀な人材を引き付けようとしています。
かねてより日本の問題は「賃金が上がらない」ことです。物価が上昇する中で賃金が上がらないため、いわゆるスタグフレーションの様相を呈しています。政府も当然この問題を重く見ていて、岸田首相は「インフレ率を超える賃上げの実現をお願いしたい」と訴えていました。そうした状況なので、ファーストリテイリングの賃上げは嬉しい試みだと思います。何しろ賃金の上げ幅はインフレ率を大きく超えています。
国内の同業他社はじめ他の日本企業がこれに追随してくれれば、日本はスタグフレーションから抜け出せるかもしれません。この賃上げの波が、願わくば私の勤め先にも早く届いてほしいものです。もっとも、私は現在の給料がいくらか把握していないため、賃上げが叶っても気が付かないかもしれません。それはどうでも良いですが、今回のファーストリテイリングの賃上げが、日本企業全体の賃上げの一石となることを期待したいと思います。
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