昨日パナソニックホールディングスの株主総会が開催されました。報道によると、株主から厳しい指摘が相次いだようです。「低迷する株価」や「女性役員の少なさ」など。いずれも事実なので仕方ありません。また以下の記事には出ていませんが、最近では不祥事の報道も目立ちます。
株価は昨年秋頃の1800円から現在1300円にまで落ち込んでいます。PBR(株価純資産倍率)は0.67倍。いわゆる「1倍割れ」の状態です。PBRの1倍割れとは「時価総額が企業の純資産よりも低い」という状態で、言い換えれば「すぐに会社を解散し、その資産を株主で分けたほうがマシ」ということを意味します。かつて松下幸之助は「企業は社会の公器である」という名言を残しましたが、このPBRでは説得力に欠けると言わざるを得ません。
役員の女性比率は19人中4人、「主要7事業会社のトップはいずれも男性」です。株主総会の質疑応答の中で、役員よりも現場の課長職や部長職の女性比率の方が更に少ない、という問題を社長が述べています。これは私も実感していたところです。
そう、何を隠そう、私は実はパナソニックの社員でした。もう正式に退職したので、隠す必要もないかと思います。私が就職した当時は、まだ社名が「松下電器産業」でした。私はシステム関係のドメインに配属され、その後、事業移管でIT子会社に出向しました。そして先日、そのまま出向先で退職しました。今にして思えば、社名が「松下電器産業」から「パナソニック」に変わった辺りから、同社の凋落が始まったような気がしなくもありません。
余談ですが、大学院で同じ研究室に居た先輩はソニーに就職しました。現在のソニーの株価は凄まじく、もはやパナソニックとは比べ物になりません。見事に明暗が分かれました。もちろん私が「暗」の方です。
パナソニック、どうなってしまうのでしょうか。古巣ということもあり、昨今の低迷ぶりは少々残念です。社内の現場でも割と経営が疑問視されていました。よく元同僚と「もはや何の会社か分からない」と話していたものです。パナソニックは数年前にブルーヨンダーを巨額買収しましたが、あれも成功だったのか失敗だったのか、よく分かりません。
女性の活躍に関しては、私が入社した頃、「女性かがやき本部」という推進部隊が存在しました。その後たしか「多様性推進本部」に改称されたものと思います。現在の管理職から役員までの女性比率に鑑みれば、女性かがやき本部はあまり上手く機能しなかったようです。というか、ぶっちゃけ、このネーミングセンスがもう酷いなと思いました。「女性かがやき本部」、、、昭和の古い感覚とでも言いましょうか、戦時中の「ひめゆり学徒隊」すら連想させます。この名称からして失敗は宿命だった気がしてきます。
色々書いてしまいましたが、元社員としてパナソニックを応援したいです。なんだかんだで長らくお世話になりましたし、たくさんの元同僚がまだ働いています。一方で、タイタニックというか、沈みゆく泥船からタイミングよく逃げられたのかな、という思いも若干もあります。最近は同社に関する残念なニュースが多いです。どうなることやら。がんばれパナソニック。
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