地球PF運用ブログ

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FIREのイメージの悪さ

先月、NHKの「クローズアップ現代」でFIRE特集を放送していました。FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の略で、経済的に自立した上で早期リタリアする、というライフスタイルです。私はFIREに関心があるので面白く拝見しました。感想記事がこちらです。

chikyu-pf.hatenablog.com

 

しかし、後日twitterで番組に対する感想を見てみると、ほとんど批判一色という様相でした。FIREという生き方、あるいはFIREを実践している人は、世間から見てかくもイメージが悪いものなんだな、とあらためて認識しました。興味深いのは、FIREに関心が低い層だけでなく、関心が高い層までもが批判的なツイートをしていました。両者が合わさって、ほぼ総批判という状況になっていました。

低関心層の批判は、一言でまとめると「この生き方の何が良いのか分からない」といった感じでしょうか。労働に対してそれほど嫌悪感が無ければ、たしかにFIREを目指して耐乏生活を送る意味が分かりません。番組では、いざFIREするも自分の成長を実感できず、再び働き始める人のケースが紹介されていました。このケースに対してだけは批判が少なく、むしろ好意的なくらいでした。要するに「働かざる者食うべからず」の意識が根底にあるのだと思います。

高関心層の批判は「こんなのは本当のFIREではない」といった感じです。低関心層の批判とは全くベクトルが異なります。たとえば、番組で最初に紹介されていたのは、不動産投資で財を成した人でした。この方は、優良な物件を一生懸命探して、借金をして物件を購入していったようです。これがFIREかと言われると、たしかに違う気がします。もはや事業です。勤め人から大家業に事業転換しただけでしょう。

FIREのイメージは、おそらく労働の捉え方によって変わるのだろうと思います。私は労働に対してあまり良いイメージを持っておらず、ぶっちゃけ労働者は現代の奴隷だと思っています(参照:2-9. 奴隷と会社員)。

非常に偏った見方であると自覚していますが、資本主義の仕組みを考えると、今後どんなに労働環境が改善されようと、本質的に労働者は資本家の奴隷としか思えません。奴隷が自由を渇望するように、私を含めた一部の会社員はFIREを渇望するのだと思います。

ところで、おそらくFIRE民にとって、FIREに対する世間のイメージは悪いままの方が良いです。FIRE民の生活は、ある意味で労働者によって支えられています。もし多くの人がFIREに憧れ、FIREを目指すようになれば、この社会を様々な面から豊かにしてくれている直接の担い手が減少してしまいます。また、もしFIRE民が増えて目立つようになると、政治家に目を付けられて「働かずに資産で食っている層」に対する資産課税が導入されてしまうかも分かりません。よって、今後も世間様が「働かざる者食うべからず」「働くは旗を楽にすること、素晴らしい」「何がFIREだ」と思ってくれた方が良いです。

私も近々FIREに踏み切りたいと思っています。願わくば、引き続きFIREのイメージが悪いままでありますように。

 

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